笑顔の女性

治療方法の確立

うつ病治療の移り変わり

うつ病治療の基本である内服薬による治療が確立されたのは、20世紀の後半と、比較的新しい時代に入ってからです。18世紀頃のうつ病治療はひたすら患者を閉じ込めるといった、かなり荒っぽいものでした。それ以降も、電気ショックや根拠のない外科手術など、かなり危険な治療法が行われていたのです。  1957年に三環系抗うつ薬のイミプラミンが登場し、うつ病治療は劇的に進化しました。心の病気として捉えられていたものが、脳の神経伝達物質による機能障害という新しい視点が誕生したのです。それから次々とセロトニンやノルアドレナリンといった脳内物質に着目した薬が開発されていき、服薬によってうつ病を治療し、通常の生活が営めるレベルにまで回復させる、という治療のガイドラインが確立したのです。  うつ病の薬はまだまだ開発されています。これからもより効果のある、そして副作用の少ない薬が誕生していくことでしょう。  

あらためて見直されてきた療法とは

うつ病は心の病、という考えから脳の機能障害という考え方にシフトしていき、薬による治療が標準となってきましたが、今また精神的な治療が見直されています。  例えば行動活性化療法です。これは患者の行動に焦点を当て、それを文字通り活性化することで、患者の認識を変えていこうとするものです。具体的には、自分の快事象と不快事象を挙げ、不快事象を変える行動をとります。朝起きた時に気分が落ち込むのなら、自分が気分が良くなることをして、落ち込むという状況を変えていくと言ったようなことです。開発された直後はあまり注目されていませんでしたが、効果があるということで見直されてきました。  新しい薬がどんどん開発され、より副作用が少なく治りやすくなることは非常にすばらしいですが、新型うつといった、あまり薬物治療は効果のないうつ病も出てきています。今後はこうした薬に頼らない療法も、改めて見直されていくのではないでしょうか。